【用語解説】食物繊維
yuimashi
食物繊維とは
「ヒトの消化酵素で消化されない食品中の難消化性成分の総体」と定義されています。
以前は、食べ物のカスとして言われていましたが、最近では、腸内細菌による分解・発酵を経てエネルギーになったり、短鎖脂肪酸に変化して様々な生理作用をもたらしたり、健康機能が明らかになってきています。
食物繊維には、2種類あり、水に溶けない不溶性食物繊維と、水に溶ける水溶性食物繊維があります。
不溶性食物繊維とは
腸の働きを刺激して、腸内に発生した有害物質の排出を促す作用があります。不溶性の食物繊維を摂ると、悪玉菌の毒素が腸内にとどまることがないので、デトックス効果があります。
ただ、不溶性食物繊維は腸への刺激が強いため、下痢や腹痛の原因となりやすいです。そのため、炎症性腸疾患において下痢や腹痛の症状がある場合は控える必要があります。

水溶性食物繊維とは
水溶性食物繊維は、便中の水分を吸収し、下痢の症状を軽くしたり、胆汁酸を吸着したり、腸内の善玉菌によって短鎖脂肪酸を生成し、腸の粘膜の栄養源になります。
水溶性食物繊維には、りんごやバナナ、桃などに含まれるペクチン、海藻類に含まれるアルギン酸、ご飯に含まれる難消化性でん粉などがあります。

食物繊維の過不足
食物繊維の摂りすぎは、下痢やミネラル分の吸収障害に。不足は、便秘や痔の原因となります。また、腸内で作られた有害物質が腸内にとどまることで腸内環境の悪化が考えられます。
参考文献
中村丁次「栄養の基本がわかる図解辞典」成美堂出版2014年
高添正和「体にやさしい安心レシピ130クローン病・潰瘍性大腸炎の毎日おいしいごはん」主婦の友社2023年
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